終業式と結婚式

終業式の日は式の後校内の清掃して、それが終わり次第で下校となる。僕等のクラスは、割と真面目でふざけたりしないから、他のクラスよりも随分早く解散となった。階段で掃除をサボっている他のクラスの不良が「そろそろ終わりそう?」なんていうのにも「ぼちぼち終わるんじゃないかな」なんて腹も立てずに答えてあげる。
他の生徒よりも一本早いバスで帰れたので、乗客はガラガラ。春の陽射しはあたたかくって、道端に咲いた菜の花もまぶしい。バスはゆったりと陸橋を渡っていく。


午後からは友達の結婚式だったので、途中でバスを降りて式場に向かう。駐車場では僕の友達が先に来て待っていた。まだ時間があるので、バイクに荷物を積んでバンドで固定する。
ここで、スーツを着てきたのはいいけどネクタイを締めていないことに気付く。そうか、僕はこの結婚式に参列するのに気が向かなくて、帰っちゃおうと思っていたんだった。
そう思っていたら、友達が僕にネクタイをよこしてくれた。いつも会社に行くときに締めている、銀のネクタイだった。