「夜は短し歩けよ乙女」読了。
- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/29
- メディア: 単行本
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別々のストーリーで、詭弁論部やらダルマやら偽電気ブランやら、錦鯉やら特徴的なモチーフをばらばらに用いながら上手く纏め上げるのはとても面白い手法に感じるなあ。
時代めいた文体については、よく練れているんじゃないかな。誰かの真似かな。amazonの書評で毛脛丸出しと書いていた人がいたけど、それもまあ面白い指摘だ。自分はそうは思わなかったけど。「スレイヤーズ!」はかなり毛脛だよなあ。作者も自虐していたような気がするけど。たしかに、男が一人称で「あたし」とか書くのは女装並みに苦痛なんすよねぇ。
文体については、西尾維新とかの方が気になったけど、仰々しい言い回しとかする作家はどの時代も一定数存在するし、好き嫌いが分かれるのも仕方ないことだと思う。
ストーリーそのものは陳腐とか言われるとそれまでだけど、丹念に描かれているイメージや、顔から火が出そうなシチュエーションとか、結構楽しめる一冊だとは思う。