「砂の器(上)(下)」読了。

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(上) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

十何年ぶりかの松本清張ですわ。多分、中学生のときに読んだ「点と線」以来。
あの当時は読みにくいなあと思っていたけど、読みやすくなった気がする。


ミステリー大作、という言葉が相応しい出来栄えだと思う。大勢の登場人物がやがてある点で繋がっていくというのはなかなかのカタストロフィ。ただなあ。手がかりの得かたが偶然過ぎるかなあ。あと殺害方法もちょっと突拍子もないというか…。犯人が無事逃げ切れるかどいうかという部分について、上手く緊張感を持たせるのも、今となってはありふれた手法かもしれないけど、当時はなかなか新しかったりしたんじゃないのかなあ。


wikipediaの載っている、ドラマ版のあらすじとはまた違っているけど、これはこれでなかなか面白いと思う。人間ドラマというよりは、ミステリとしていいのかなと。映画・ドラマ版は犯人の心理に焦点を当てているとかで、どのように描かれているかがまた楽しみ。2004年ドラマ版は原作版のかなり重要な設定が変えられているとか。時代感もまた違うし。ただ、見た人の感想は総じていいみたいなのでとにかくハスに構えずみてみたいなと思う。