「木曜組曲」読了。

木曜組曲 (徳間文庫)

木曜組曲 (徳間文庫)

先日別府旅行に行った際、空港で何気なく手に取った本。
一緒にいた奴に「読みたかった本なんですか?」なんて言われたけど、読書で暇つぶしとかしないんかね?
で、まあ…実際暇が出来るまでかなり中断していたわけだが。


でもまあ、恩田陸なら遅かれ早かれ手に取っていたと思う。夜のピクニックは面白かったしな。
で、読んだところ、冒頭から「たけくらべ」の引用ですか。学の無い私では読めません。「廻れば大門の見返り柳いと長けれど」で三秒くらい考えちゃうからなあ。「柳いと」で文節区切ってるし。
まあ、そんなことはどうでもよくて、「夜のピクニック」を読み終えたときは十五、六の少女の様な作家だなあ、と思ったけど、この作品ではなんか老獪なおばちゃんのようなイメージだった。僕の好きな浅田次郎なんかも、小説とエッセイでかなり雰囲気が変わるけど、この人のはなんかショックかなあ…。
…と、書きつつ、やはり少女の様な部分がところどころあったりするかも、と思い始めた。主人公の一人がうぐいす館を訪れるようになって「若草物語の様な世界だ」と形容するのとか。清く正しい文学少女だったんだろうなあ、なんて。ますます好きになりそう。


で、解説が秀逸だったなあ。劇作家の人が解説しているんだけど、なるほどなあと。これは先に読んじゃいかんですな。