「七人の役小角」読了。

七人の役小角〔小学館文庫〕

七人の役小角〔小学館文庫〕

役小角といえば、宇宙皇子ですなあ。小学生の時分、かなり熱中して読んでいて、一時期気管支炎で入院+自宅療養してたんだけどその間もずっと読んでいた。大部屋なのに夜更けまで読んでいてかなり迷惑だったと思う。中学に上がってからは読まなくなってしまったけど、結局天上編の半ば位までは読んだような気がする。いのまたむつみの描く各務が可愛かった気がする。アニメ化したときは「絶望した!」とか言ってた気がする。
世界観もかなり完成されているから、今読んでも面白いかもなあ。

そんなことはどうでも良くて、内容は役小角について描かれた作品を七人分取り上げて編集したもの。
夢枕獏は(単行本が発売された2000年時点で)、空海安倍晴明役小角について書きたいと考えており、取り上げた作品の中でも恐らく役小角のキャラクターが強く書かれている部分を取り上げている…と解釈した。
夢枕獏自身かなりの山好き(「神々の山嶺」とか書いている)なんで、山岳で行を修める修験者について興味があるんだろうなと。禁欲という非人間的な行為から神力を得るということとか、使役していたと言われる前鬼・後鬼とか、一言主といった古き神や、朝廷との関係や、賀茂氏(安倍晴明も同じ血脈)との関わりなど、面白そうなピースが拾い上げられる。
まあ、恐らく異界の鬼に高く飛び上がって飛び蹴り食らわせて骨が「ゴリッ」っていうような関節技を掛ける小角が出来るんじゃないかと。(前にもこんなの書いたな)

「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」も読まないとなあ…。