「第四解剖室」読了。

第四解剖室 (新潮文庫)

第四解剖室 (新潮文庫)

ちょっと前に買った奴だけど、ずっと積読状態だったのをようやく読み終わした。
ホラーとは単純にグロテスクなものを出すことではない、と誰かが言っていたけど、S.キングの小説ではついついそっちに目が行っちゃうのも確か。表題の作品の中で出てくる大鋏や色んな作品に出てくる半分溶けかかった死体だとか。そっちのリアルな表現もさることながら、ホラーの本質である主人公の精神状態を描くのが上手いなあと。「愛するものはぜんぶさらいとられる」とか、そういう精神状態でもなければきっと書けないと思うのだがどうだろう。あるいは、主人公になりきって投射させるのがよほど上手いか。
暗黒の塔」シリーズの外伝が一篇収録されていたけど、世界観が分かりにくいなあ。西部劇+ファンタジーというような感じだけど、主人公の「たかじけない」などの時代掛かった台詞とか。(騎士道をテーマとしたファンタジーはそんな感じだけど…)