「カクレカラクリ」読了。

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

カクレカラクリ?An Automaton in Long Sleep

理系作家二弾目なり。理系作家は理屈っぽいっていうステロタイプを、そのまま体現したような書き口。


あらすじは若者五人が、地方の旧家でもある実家に伝わる「カクレカラクリ」の謎を解き明かそうと奮闘するというもの。といっても、アドベンチャーという感じではなく、推理ものに近い感じ。120年前に作られたというカクレカラクリが姿を現すというのだが、断片的に現れるヒントを元に何のために作られたのか、どうやって120年の時を刻んでいるのか…ということを推理しながら物語は進んでいく。120年もメンテナンスなしで動かせる機械は作れない、という技術者としては当たり前のような観点で、それをどうやって作り上げるか…という思考実験に近いのかなあ。そういう観点がない人から見ると、斬新なのかなと。自分の感覚だと、飲み屋での与太話にストーリーをつけたような感じ。アイデアを語るのは楽しいんだけど、実際に作ってみると難しくって壁に頭をぶつけたくなってしまうわけですよ。


でも、人間的だなあ。工業は、人間あってだと思いますよ。