「拍手のルール―秘伝クラシック鑑賞術」読了。

拍手のルール―秘伝クラシック鑑賞術

拍手のルール―秘伝クラシック鑑賞術

なんだかんだで、もぎぎさんの本は結構買ってしまっている気がする。軽妙な書き口が読みやすいのと、あと新規のクラシックリスナー・演奏家が疑問に思うような、キャッチーなところにタイトルを持ってきているところが受けるんだろうなあ。
今回のタイトルは、恥を掻かない拍手の仕方…という所を切り口にして、コンサートの聴き方みたいなことが書かれている。沢山通いながら周りの空気を読め、で済みそうな話を独自の観点で考察して掘り下げるのがもぎぎさんらしいなあなんて思ってしまうのだけれども。ただ、全く知らない人にとっては交響曲の切れ目ってどこなのよ、ってとこから交響曲や協奏曲、序曲などの成り立ちを紹介するのも面白いしやり方だと思う。実践から理論に移るやり方は、僕は理に適っていると思う。各国の拍手の仕方を紹介するのも、遍歴している人ならではの記述だろうなあ。
あと、調性の話のなかで「実は、『調』には、高さの違い、調号の多さ少なさだけではなくそれぞれの『雰囲気』『響き』がある、ということになっている」(p181)とあったのが面白かった。俺はわからんけどね、みたいな書き方しているのがざっくばらん。
例によって巻の後ろのほうは名曲紹介。曲紹介は、力を入れすぎるという感がいつもする。自分なんかはタイトルを見ても思い出せない曲が殆どなんで(特に細部とか)、ついついざっと見しちゃうんだよなあ。やる気のある人だったら、気になる部分には付箋でも貼っていちいちCDを探しに行ったりするのかもしれないけど、俺はそこまでは…。