「憑神」読了。

憑神 (新潮文庫)

憑神 (新潮文庫)

事前知識なしで読んだけど、もの凄いエンターテイメント。貧乏侍が主人公のコメディかと思いつつ最後は上手く浅田節で落とされてしまった。というか、これから読む人のことを考えちゃうとblogには何も書けませんな。他のであれば竪糸には触れないように上手く書けようものの、この本はコトコトコトンと全てが上手い連鎖になっているから何にも語れないです。
浅田次郎のコメディは舞台劇のような大げさな表現がなんかクサくなくて、安心して読める。「夕立でも振り出したかのように店を仕舞う」とか、ちょっと時代かかっている表現がいいんでしょうなあ。テンポがいいから、名人の噺を聞いているような感じですよ。それでいて、内面までしっかり描いて泣かせるというか。


映画見に行きたかったなあ。東京じゃもうやってないみたい。