「夜のピクニック」読了。

夜のピクニック

夜のピクニック

なんつうか、節目の日にこういった佳い本を読めてマジ良かったと思う。


80kmを一昼夜かけて歩く、って設定だけでワクテカしてしまった。どうも、自分はこういうひたすら系が好きみたい。自分もなにか、そういうデカいことをやってみたい。


正直なことをいうと、自分がもっと明るい青年だったらこういう文を書けるんじゃないかと思っていたけど、やっぱちょっと無理。登場人物一人一人へ注いでいる愛情が違うんだろうなあ。
主人公の男の子と女の子、それぞれの視点で描かれているんだけれども、それぞれの視点が美化されつつもそれなりに納得できるものであった。根本のところはどこか中性的なのかもね。そして、子供っぽくないというのも自分的には大絶賛ですよ。
文庫としてはそれなりに厚みがあるほうだけど、文章も話の展開も軽快で凄く読みやすかった。読んでいる間、主人公たちと歩いている気分なのだが、読み終えても疲れたーというよりも朝起きたときのような爽やかな読後感。時刻の変化や風景の変化の描き方も良かったと思う。


読んでいる最中気になったのは、作者は男は女かという点。名前的には男っぽい感じもしていたけど、文章は女かな…と思って読み進めていたけどやっぱり女でした。
以前、同様の話で詩人の「銀色夏生」が男か女かという話を文芸部の顧問としていて、今日調べたところやっぱり女性だった。一応、二連勝中。


ああ、映画も観に行きたいな。是非、甲田さんと。内堀さんはちょっと勘弁w